脇役にスポットが当たりすぎてつらい~アニメ「ピンポン」
雨宮です。
最近脇役にスポットが当たりすぎててつらいんです。
ヒーローにスポットが当たるのは当たり前で、ヒーローは成功したり、かっこよかったり、人をスマートに助けるのが当たり前なんですよ。
だってヒーローってのは結果を出して初めてヒーローって名付けられるわけですから。
悪役を倒さなかった仮面ライダーなんて聞いたことないし、ライドしないライダーなんて聞いたことない(それは関係ない)
つまりヒーローがヒーローであるのは当然だし、基本どういうシチュエーションであれ、ヒーローがいる場合って多いんですよね。分かりやすいもん。
見てる方も安心するじゃないですか、明確なヒーローが居なくて、自分は不遇で、けど結局見えてないだけでみんなも自分と同じで、なんて現実そのものですからね。わざわざ観ても疲れます。
でも、自分がヒーローだと思ってる人なんてそう居ません。思ってたとしても上手くいかない日が必ずあると思うんです。なので脇役だったり、例えばヒーローになる前の裏話があったり、ヴィランサイドの物語とかあると、おっ( ^ω^)ってなるわけです。
あ、申し遅れました
アニメの話ですこれ。
ヒーローヒーロー言ってますが、ここでなんの作品か分かったら相当なファンですね。メロスとセリヌンティウスのような抱擁を是非交わしましょう。マブダチ。
青春群像アニメってみんなが主人公で各々の人間に面白いくらいカメラ回るんですけど。ケーキ分けるみたいに。「ぼくらの」とかそのパターンですよね。それぞれのパイロットの家族とか悩みとかに焦点を当てて、それが物語進行にそのまま繋がってます。あれは違う意味でつらいアニメだ……誰も救われない……。
それとはまた違うパターンのアニメもあって、ふっと場面が切り替わって違う人物について説明するでもなくCMを流すみたいにちょっとだけ描写してみる、それを何度も繰り返して観てる方は憶測やら自分の過去やら想いやらを重ねたりなんかしてその人物像が出来上がってくるわけです。結果的に全員のキャラが全員平等に物語があるわけなのですが、エピソード毎に人物描写を分ける時と違ってそれぞれが主人公のシリーズを全シリーズ観たような満腹感があります。満足バーを人数分食べるみたいな(それも違う)
しかしスポーツにはあまり興味が無い、ルールさえ分からない種目も多々ある筆者ですが、面白いですね。卓球。
面白すぎて何度も観てます。そうです。
「ピンポン」
何度観ても主人公が誰かと言われると分からない……一見ペコでも、スマイルのような気もするし、ドラゴンのような気もする。はたまたアクマか孔文革(コンウェンガ)か。
主人公探すのが野暮な作品なのかもしれません。筆者はみんな好きです。特にペコとスマイルとドラゴンとアクマとコンさんが(中心人物全員やないかい)
それぞれの人物について語れるんですけど語っていいですか……?いいですか?
ダメって言われてもするけどね!
ちなみにネタバレしかしません。
星野裕(ペコ)
「困った時はオイラを呼びな!ヒーロー見参!ヒーロー見参!ヒーロー見参!そうすりゃオイラがやってくる!ピンポン星からやってくる!」
言うまでもない主人公ですけど、典型的な天才型の選手なんです。そして一部が嫉妬するほどのみんなの人気者。居ますよね、なにか惹き付ける愛嬌があって、人気者になる人って。
天才型と言っても子供の頃からみんなより早く、練習も多くしてるのでスタートダッシュが早かったパターンのような気もします。勿論本人もまだ卓球がただただ楽しいという純粋な感情だけで卓球との関係を良好に保ってるわけです。楽しいから練習するし、いつの間にか実力もついてる。好きこそ物の上手なれ、です。
でも上には上がいるんですよね。それにペコだって子供の遊び感覚ではきつい練習は面倒臭いし、変にプライドが高いのかかっこ悪いと思っている。そうこうしてるうちに周りの努力家はカメのようによちよち追い抜いて行って、ぺこの卓球はいつの間にかワンパターンで甘っちょろい技術になっていくわけです。
しかしペコ、スマイルが大好きなんですよ。
もうね、いいよね、友情を通り越して相棒って言ってますもん。
そんな友達が、ずーっと卓球をやってきたパートナーが、自分の強さを立てるために無意識ながらも抜いて打ってたなんてショックすぎる……しかも自分の方が上手くてちょっと上から卓球を語っていたつもりだったのに他校の選手やコーチにはスマイルがうまいうまいと言われると心が折れそうになるのも分かる、頑張れペコ。
でも卓球をまた頑張ろうと思ったきっかけはそれでもスマイルなんですよ。
笑わないからスマイルなんじゃない、あいつが卓球してる時だけは笑うからスマイルって名前になったんだ!と、泣ける話じゃあないですか!
ちなみに星野のマークが☆で、月本のマークが🌙なんですけど、なんか芸が細かい(心酔)
月本誠(スマイル)
ペコの相棒、同じくタムラ出身。
笑わないし、理論的過ぎてみんなにいじめられたり、変なやつって思われるタイプの人間。あんまり居ませんね。けど練習に来ないペコを先輩に来るように言っとけ!って怒られても「地図描きますから自分で行ってくださいよ、僕はペコの保護者じゃありませんから」
いやいやギター侍みたいな斬り方するのな。
しっかりしてるとも言えるけど、理論的すぎるというか、ノリが悪いというか。でもペコのこと大好きなんですよ〜なんだよ相思相愛かよ〜。
スマイルにとってペコはヒーローですからね、いじめられてたスマイルがなんか気になってたペコは卓球を教えて、スマイルは卓球を始めるわけですけど。ペコと一緒に楽しめたからやってたんですよね。別に強くなりたかったわけじゃなかった。でもペコと一緒に打ってたから上手くなってる事にあまり気づかず、周りからやんややんや言われてうるさい、みたいな。クールですね〜。
途中ペコがふらふらしてる所、すごく嫌だったでしょうね。漫画では「かっこ悪いペコを見るのが嫌なんだ」って言ってた気がします。もう付き合え。(安直)
ただ途中小泉コーチと猛練習始めたシーンがあって。ペコが練習来ない中、勿論色々なきっかけはあったんでしょうが、なぜあんなに練習に対して真面目に文句言わずするようになったのか筆者のボンクラ脳では分かりませんでした。なんでだ?
スマイルは最初強い相手に萎縮したり、後がない選手にわざと負けたりしてたんですよね。それが彼にとっての優しさだったし筆者も分からんでもないなと、そう思ってました。
でもコーチはあの手の試合は関わるものみんなを不幸にする、と。確かに。
確かに。
それぞれが自分の正義を貫いてるからこそ面白いのであって、だからこそ一筋縄では行かないんですね、人生って(悟ってません)
スマイルがプチッといくシーン、好きですよ。
「僕にだって感情はあります。」
「佐久間を退部に追いやった僕が海王に行ったらどうなると思います?」
しかも途中ペコとすれ違ってる描写ほんとにすっき……。ペコの家族可愛い……。
あとは小泉コーチの愛情ね……YES!愛!(はい)
佐久間学(アクマ)
こーれは名言残しますよね〜〜アクマ好きなんですよ〜なんか目が離せないし、こう、もどかしくて……。
2人とおなじタムラ出身で、でも残念ながら才能がない。筆者も物事は全て頑張り次第でなんとかなる!って言いたいですけど、それは理想論で、やっぱりセンスって全ての分野共通してあるんですよね、飲み込みが早い人と遅い人って居るんですよ。飲み込んでも活用できない人も居るんですよ。苦しいね……。その苦しさがもうバッチリ表現できててほんと辛い……。
佐久間の人生自体は最終的にはいい方に向かってますけど、卓球メインではないですからね。
報われ無さすぎて全ての台詞と、周りの彼への感情がもう……つらい(つらいしか言ってない)
チンピラに絡まれてどこ見て歩いてんだよ坊主!ってどやされるんですけど、「どこ見て歩きゃ褒めてくれんだよ!!!あぁ???どこ見て歩きゃぁよお!!!!」いや、泣くわ。やめて。抱きしめてあげたい。
ドラゴンと話したあと彼女に言うのも泣くわ。
「ちょっとそこで待ってろむー子」
「えー、何よそれぇ〜」
「少し泣く。」
いやいやいや、何カッコイイことになっちゃってんのぉー!!しかも退部なったにも関わらずインハイ見に来るのもう健気すぎません??????ペコに憧れてたはずだし、同時に嫉妬もしてたはずなのにペコがふらふらしてたらお前才能あるんだから辞めんな!血便出るまで素振りしろ、そうすりゃ世界もちったあ変わって見えるぜ、って努力した人しか言えない台詞だよなあ……。
風間竜一(ドラゴン)
「どうやら才能とは欲しいものにだけ与えられるものではないみたいでな」
「ヒーローなど存在しない、信じられるのは己の才能だけだ」
バケモンですわ、高校生の貫禄じゃない。
卓球強豪校、世界チャンプ。ドラゴン。
ただ背負いすぎたものが大きすぎた。強いけど中身ボロボロだ……(ヤク中じゃないよ)
親も頼れない、仲間も頼れない、頼れるのは己の技術、努力だけ。
あんな追い込み方で頑張れる人って実際居るんですかね。
ただ全話、端々にドラゴンの孤独やら恐怖やら葛藤やらが見え隠れしてるのがほんと……よく親が言うじゃないですか、嫌なら辞めなさい!って。あれを叱りじゃなくて本気で心配して声掛けるレベル。
いとこのゆりえさんと同居してて、好かれてて、デートにも誘われてるのに筋トレで行かないなんて!(あんなに可愛いのに!)しかもクリスマスイブに!クリスマスイブに女の子からお誘いってデートだで?????気づけ???
分かってて断ったのかな、そんな気もする。強いなあ……。最後で俺はどこで間違えたのかなーなんてボヤいてますからね。
ずっと頂上に立ち続けるのは難しい。
孔文革(チャイナ/コン・ウェンガ)
「どうせ来るならヨーロッパが良かったな……スイスとかドイツとか」
はいはい来ましたチャイナ!!!!こいつがまたいいキャラしてるんですわ……なに、いいキャラしか出てこないじゃん……松本大洋先生???ありがとう???すき???
中国の一軍から外されて日本に応援選手として来るんですけど、つまりは左遷ですよね。辛いでしょうね。しかも日本に来てこんなおちゃらけた卓球の世界で俺がプレイするのかよって思うのに最初のインハイでドラゴンにけちょんけちょんにされてしまうっていう、いやつらいね……でも最初見下してたコンもだんだん所属高校の選手とかと仲良くなってくのいいです。にやけがとまらないからこっち見ないで。
強い人間が負けたらもっと強くなるんですね、矛盾してるようだけど。
コンに関してはアニメ観た方が早いです。(考察とは)
まあまあそう怒らずに。観て損することはないです、卓球経験のない筆者が保証します。
個人的解釈しかないですけど、ピンポンはほんといいアニメなんですよ!(伝われ)
登場人物みんなが自分の善を尽くすだけなのにこんなに面白くなるなんてね。色んな人の立場から観れるアニメだと思います。
是非観てみてください。握手しましょう。
読みづらいのにここまでありがとうございます。伝われば嬉しいです。
それでは。
雨宮のついったー:
https://twitter.com/yu_amemiya