雨宮夕のブログ

音楽と映画と読書と、ひたすらぐうたらする日常

日本人はうぬぼれすぎている

コロナが話題になってますが皆々様お元気でしょうか、先日陽性反応が確認された人が移してやる!!!!とかいって飲食店をはしごしたらしいですが、少し気持ち分かるな。自分だけ陽性になって自粛食らってるのが気に入らなかったんだろうなあ。

 

さてさて、少しそれに伴って話題になっているのが、流行場所の差別、(流行しているのがアジアに集中していることもあってか)アジア人を病原菌のように差別する人たちの動画やツイート、現地での体験談などが目立っていたように思います。

 

そういう流れを見ていて思い出したのが、イタリアで嫌な気分を味わったことでした。まあ忘れもしませんけど。

少し前にイタリアに行きまして。

結構考えるきっかけになりましたね。

 

旅行自体は楽しかったです。ヨーロッパは行ったことあると言えばあったんですが、大陸に入国のは初めてだったのでヨーロッパ特有の建築や街並み、食べ物なんかも楽しめてかなり充実してました。

 

ところがどっこい現地の人々、日本人嫌いみたいなんですよね。(もちろん一部の人であるということはここに述べておきます。)

今まで言われていた「イタリアに行く日本人女性はよくナンパされる」とかありましたけど、恐らく日本人は騙しやすい、ちょろい、アジア人だから遊びの恋愛でも平気、みたいな感覚だったんだろうか、なんて結論に達するくらいには色々と考えさせられました。

 

現地のバール(売店兼、カフェ、兼バー)でお酒を飲んでいたんですが、常連客であろう男性がかなり泥酔していて、なにか早口で話しかけられてて。

そのあと店員さんがその男性と激しい口論始めたと思えばイタリア語で「出てけ!!」って連呼してたと思います。追い出されてました。

その店員さんにあの人どうしたのと聞くと、言いづらそうに「わざとイタリア語で日本人の悪口?差別する表現?」をしてたんだよ、と英語で説明してくれました。

 

それまで自分のことを言われているなんて考えずに楽しくお酒を飲んでいた自分が恥ずかしくなったのと、どうせ通じないからなんて言われっぱなしにしてたことや(実際簡単な挨拶程度さえ理解できません)、店員さんに助けてもらったことなんか、(非常にありがたいというか、とてもやさしい人だったのですが、そのことが余計に)恥ずかしく惨めな気持ちになってしまい、そのお店にはもう行きませんでした。それが明確に現地で初めて差別というものを味わった日でした。一瞬で血の気が引く感覚といいますか、もう味わいたくないですね。

 

それからバスや電車では席が混んでいても、空席を認識していても近くには座ってこない人、電車で多分悪意が含まれてる言葉であることすら知っているかどうか分からない幼い子供に言われ、親に謝罪される(が、そのあと子供を叱ってはいなかった)なんてことが何度かありました。

 

北ヨーロッパ(島国とだけ言っておきます)でもファーストフード店で食べたいものを注文しただけで後ろから「あ、アジア人だwww」みないな嘲笑を受けたことも思い出し、ヨーロッパはしばらく行く気が起きないや、と思った旅でした。

 

帰りはパリで乗り継ぎで飛行機に乗ったのですが、疑心暗鬼になってしまって色んな国の差別事情なんてネットでひたすら調べていました。

なんでもヨーロッパ諸国内でもカーストがあるらしく、かつての部落だったり地方出身者を軽蔑したりする日本とそう変わらないなあと思いました。

ヨーロッパは精神先進国である、あるいは日本は精神先進国である、日本は文化的に優れているから世界で人気、だってアニメだって日本文化だって人気あるでしょ?渡辺謙みたいに、ハリウッドで認められる日本人だっているでしょ?

います。そういう人もいます。

でもそういう考えは危険だと思います。今でも韓国や中国を嫌ってしまう日本人がいるように、日本人、アジア人を差別する人、黒人差別、白人至上主義、いっぱいいます。

みんな建前と本音をもった同じ人間だということは忘れないようにしなければと思いました。もちろん、信じたいなら信じてもいいです。でも実際に打ちのめされる現実に直面したときに心が折れそうになっても人間不信になっても私は保証ができません。

 

人を疑えと言っているわけでもなく、反撃しましょうとかいうのではなく、幻想を抱くのは良くないよという話です。

そろそろ「海外のエセ日本料理店を成敗してみたw」とか「日本に遊びに来た外国人はこんなにも日本のことを愛していた!!!」みたいな番組やめた方がいいんじゃないかなあ。日本のエスニック料理店に現地の人が来てみた、とか半日国家の現実みたいな番組もあったら面白そうなのになあ。

 

という今回は真面目な話でした。人間土壇場になると本性が出ますね。

 

色々考えた結果読んだ本はこちら。

 

差別感情の哲学 (講談社学術文庫)

差別感情の哲学 (講談社学術文庫)

  • 作者:中島 義道
  • 発売日: 2015/02/11
  • メディア: 文庫
 

面白かったです。極力客観的に差別感情の仕組みについて、現状について述べてました。参考文献も気になるのいくつかあったのでそのうち読みたい。

 

読みたいと思ってる(Amazonのカートに入れたまま)本はこちら

 

 

 

 

読んだ本はまだ反芻、考察が必要なのでまた話したくなったら記事書きます。